ゴルフでアイアンセットを選ぶ時に考えること
アイアンセットを替える時に、あなたは何を基準にアイアンを替えますか。
中級・上級者レベルのあなたは、打感とヘッドの顔が命と答えるかもしれません。
アイアンは単品で替えることは少なく、セットで替えるので買い替えには失敗したくありません。
そこで、アイアンセットを選ぶ基準を考えてみたいと思います。
ヘッドの材質と製造法
先ずは材質からです。
一般的にアイアンの材質は軟鉄かステンレスで作られています。
製造方法は「鍛造(forged=フォージド)」と「鋳造」があります。
鍛造は金属を叩いて目的の形を作る方法で、鋳造は金属を溶かし、金型に金属を流し込み冷やして形を作る方法です。
鍛造は柔らかい軟鉄を叩いて形を作るため、金属密度が高く、打感(柔らかな打感)とボールがヘッドの芯に当たった時の音はすばらしいものがあります。
鋳造は軟鉄やステンレスを溶かし、金型に金属を流し込むため気泡がまじり、金属密度は鍛造に比べて落ちます。
アイアンに打感を求める方は軟鉄鍛造アイアン1択と言うことになります。
鋳造で作られたアイアンの中でも打感の良い物はありますが、鍛造アイアンと比較した場合には鍛造製法に軍配が上がります。
軟鉄鍛造アイアンの利点は、購入後でもロフト角とライ角を微調整できる点にあり、上級者好みのアイアンといえます。
鋳造の利点は、金型を使用するためヘッドの形や大きさを自由に設計でき大量生産が可能です。
鋳造製法を使用することで、ヘッドの大きな物や、ロフト角を立ててもボールが高く上がるような設計が可能で、フェースの素材にチタンやマレージングを使用している場合には初速が出て、飛距離が伸びます。
昔と今では製造法の進化で鍛造でも大きめのヘッドを作ったり、鋳造でも打感の良い物を作ったりとアイアンの選択幅がかなり広がっているように感じます。
ヘッド形状
アイアンのヘッド形状ですが、基本的な形状には①マッスルバックアイアン、②キャビティーアイアン、③中空アイアンの3種類があります。
マッスルバックアイアンはヘッドが小ぶりで操作性を重要視する上級者好みのアイアンです。
キャビティーアイアンはスイートスポットが広く(ミスヒットに強い)、ボールも高く上がるので初心者から上級者まで幅広く使用できるアイアンです。
中空アイアンはクラブヘッドの中が空洞で、弾道と距離を安定させたい中級・上級者向きのアイアンです。
中空アインアンの弾道は、キャビティーアイアンほどボールは高く上がりませんが、キャビティーアイアンでボールの弾道が高くて距離が安定しない方には中空アイアンはお勧めです。
ヘッドの大きさ
ヘッドの大きさですが、小ぶりなヘッドは操作性を重要視する上級者好みです。
大きなヘッドは、ミスヒットに強く方向性は安定します。
ヘッドのソール幅
ヘッドのソール幅ですが、ソール幅が広い方がミスヒットに強く、ボールは上がり易くなります。
ソール幅の狭いアイアンは操作性を重要視する上級者向けです。
ネック形状
ネック形状ですが、基本的には①ストレートネック、②グースネックの2種類です。
ストレートネックはヘッドのフェースの開閉がし易いので、ドローやフェードボールを打ち分けたい方に向いています。
グースネックはネックの形がダチョウの首に似ていることから、この呼び名が付けられたと言われています。
グースネックは重心角が大きので、ボールの捕まりが良く、スライスやシャンクを改善したい方や初心者に向いているネック形状です。
重心角とは、クラブを机などに置いた時、ヘッドのフェースが向く面とシャフト軸との角度を示す数字で、この重心角が大きいと、ボールの捕まりがよくなります。
ライ角
ヘッドのライ角ですが、ボールの方向を安定させるためにもアイアンではこのライ角が重要です。
ライ角とは、アドレスの構えをして、ヘッドのリーディングエッジを地面に付けた時にシャフトの中心軸と地面の角度を指します。
この角度が大きいとアップライトなアイアン、小さいとフラットなアイアンとなります。
アップライトとはヘッドのトウ側が上がった状態(地面から浮いている状態)で、ボールが捕まり過ぎてボールは左に飛んでいきます。
逆にフラットなアイアンでは、ヘッドのヒール側が上がった状態(地面から浮いている状態)でボールは右に飛んでいきます。
一般的な7番アイアンのライ角は約62度で、この角度は各メーカーが身長170cmの人を想定して付けられている角度だそうです。
海外から輸入したアイアンでは、このライ角アップライトになってくるので注意が必要です。
アイアンヘッドの主材質が軟鉄であれば、購入後でもライ角調整は可能ですが、主材質が硬いステンレス、チタン、マレージング鋼では調整ができません。
ロフト角
一般的なロフト角は7番アイアンで30~34度です。
ロフト角が30度以下は飛び系アイアンで、超飛び系アインアンのロフト角は約26度前後になります。
ロフト角が立つと、難しい印象ですが、今のアイアンはロフト角が小さくともボールが上がり易く距離がでます。
必ず、試打をしてボールの上がり易いアイアンを選ぶことをお勧めします。
シャフト
次にアイアンのシャフトですが、この選択はクラブの総重量に関わってくるので重要な選択です。
シャフトをスチールにするかカーボンにするかですが、今では、スチールもカーボンも軽量シャフトから重いシャフトの選択幅が広がっているので、どちらを選んでもドライバーからウエッジまでのクラブ全体の重量フローを整えることは可能です。
一般的には5番アイアンの総重量から約100g引いた重量がドライバーの総重量になると言われていますので、この値を目安に試打して、十分振れる重ためのシャフトを選択することをお勧めします。
スチールかカーボンどちらを勧めると聞かれたら、私はスチールをお勧めします。
スチールも軽量から重たいものまで幅広く選択可能で、仮にシャフトを交換する時でもカーボンよりは安く交換が可能です。
試打する時には、必ず測定器を使ってヘッドスピードや球筋を確認してください。
ドライバーでもそうですが、クラブの買い替えは、あなたのスウィングの調子の良い時に試打をして選ぶことをお勧めします。
アイアンを替える時に考える事がたくさんあり、悩む方も多いと思います。
技量と経験を持ち合わせている上級者のあなたにとってはアイアン選びは楽しい時間となるはずです。
初心者の方には、ミスヒットに強くボールも上がり易いキャビティーアイアンで、ヘッドが大きめで、ソール幅も広いタイプをお勧めします。
アイアンを替える時にも、必ず試打をし、あなたの体力とスウィングに合ったアイアンを購入すべきです。