あなたは、ゴルフでスウィング中の下半身の動きを考えたことがありますか。
特に、ダウンスウィング時の下半身リードを言葉で詳細に説明することは非常にむずかしい話です。
ゴルフスウィングでは、バックスウィングで右に重心を移動(体重移動)し、ダウンスウィングで左に重心を移動していくわけですが、重心を移動するだけでは、ボールの飛距離を伸ばすことができません。
この重心移動に捻転差をつける必要があります。
バックスウィングでは腰(骨盤)を右に回して体を捻転させていきますが、この時、股関節の内旋の動きを入れて、右足に重心を移動させていきます。
少し余談になりますが、股関節の動きを考えてみると、スウィング時の下半身の動きがイメージとしてとらえやすいかもしれません。
股関節は、「骨盤の寛骨臼」と「大腿骨の大腿骨頭」の2つの骨で構成されている単関節です。(単関節は2つの骨からなる関節のことです)
股関節の形状は、お餅を作る時に使う臼(寛骨臼)と杵(大腿骨頭)の形状から臼状関節に分類されます。
又、股関節は前後運動、開閉運動、太腿を内や外にむける捻じれ運動をすることができる、多軸関節でもあります。
体の関節の中で、球関節である肩関節の次に自由に動く関節が股関節ということで、股関節は「屈曲」「伸展」「外転」「内転」「外旋」「内旋」と6つの方向に動かすこができる関節です。
話をバックスウィング時の股関節の内旋の動きに戻しますが、内旋は右太腿が内側にねじれる動きです。(内また)
バックスウィングでは右に重心を移動する場合、股関節を内旋させ、右股関節に体重をのせることが大切です。
その時、右太腿の内側の筋肉に力が入るため、かなり右太腿が硬くなります。
バックスウィングで右腰(骨盤)を回す動きですが、厳密に考えると太腿の筋肉を鍛える必要があるくらい、股関節の内旋はきつい動きです。
バックスウィングでは右肩を下げた状態のアドレスから右腰をゆっくり回転していくと、体重が右足の踵にのってきます。
この時、右膝が右に流れず正面又は内側(右股関節の内旋イメージ)を向くようにすると、右太腿の内側の筋肉に力が入り、右足の踵と右足の内側に体重がかかります。
右側のお尻が椅子の上にのっているような感覚で、右足にしっかり重心が移動した感じがつかめます。
テークバックでは、右膝が右に流れず、正面又は、内側(右股関節の内旋イメージ)を向くようにすることが重要です。
重心がしっかり右足にのると、深いテークバックを感じることができます。
ここまで深いテークバックをとるとトップでの間(ま)が自然に行われる感じがします。
松山英樹選手のトップでのイメージ写真では、右足に重心が移動し、体が捻じれ、右足の太腿の筋肉が張っている状態が良く分かります。
エネルギーが蓄えられ、トップでの間(ま)から「よし行くぞ!」という力感が非常に感じられます。
テークバックで常に深いトップ(右股関節の内旋イメージ)が作れると、自然に間(ま)ができ、この時点でスウィングの再現性を高めることができます。
バックスウィングでしっかり右股関節に体重をのせた後、左への重心移動を行い、左股関節に体重をのせていきます。
この時も、体重が左にスエーしないために、左の太腿の筋肉でしっかり受け止めなければなりません。
ゴルフスウィングでは、トップからの切り返しを必ず下半身リード(下半身始動)で行うことが重要になってきます。
下半身リードは、厳密には左股関節に体重をのせていく動きですが、分かりやすいイメージとして「腰(骨盤)を左に回す」「左のお尻を回す」(ヒップターン)のような言葉が使われていると思います。
切り返しの下半身リードでは、左股関節に体重をのせていくわけですが、雑巾をねじるようなこの切り返しの下半身リードは、股関節の動き、骨盤の動き、左のお尻の動き、腹筋、太腿の筋肉等をいかにバランスよく使って、エネルギーを左に開放していくかが重要になってきます。
あくまでイメージですが、トップからの切り返しは左のお尻が、目標方向の後方から見えるように動かしていきます。
私の感覚では、バックスウィングのように右股関節に体重をしっかりのせるというイメージ感覚はありません。
むしろ、スウィング軸を崩さず、バックスウィングで溜めたエネルギーを左に開放していくイメージだけです。
フィニッシュでは、左の太腿外側に力がかかり、左にスエーしないように受け止めているイメージはあります。
バックスウィングとダウンスウィングの下半身の動きは対称ではなく、ダウンスウィングでは速いスピードで動作が完了するため、イメージ感覚の説明がむずかしいです。
バックスウィングのように、右股関節に体重がのるポイント(右膝の内旋)が、ダウンスウィングでも何か明確なポイントイメージがつかめたら良いのですが。
スウィング中の下半身の動きを考える場合、バックスウィングとダウンウィスウィングの動きは対称ではないため、分けて考える必要があります。
バックスウィングで右股関節にしっかり重心を移動させるポイントは、右膝を内側にいれる動き(内旋)を取り入れることです。
この時、右足の踵と内側に体重がのり、右太腿の内側の筋肉が張り、深いトップができていることを感じることができます。
ダウンスウィングでは、切り返しは、必ず下半身リードで行い、左側のお尻が後方から見えるようなイメージで腰を回して(ヒップターン)ていきます。
この時、スウィング軸を崩さず、腰が左へ大きくスエーしないように、上半身も左に振り抜いていきます。
是非、試してみてください。